「メッシ依存症」から脱却してレアルに完勝。バルサの新たな攻撃力 (4ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Hueruta

 一方のバルサは、故障から復帰したメッシがこの試合に招集されたため、スタメンでプレーするかどうかが最大の焦点になっていた。しかし、結果から言えばメッシはほとんど不要だった。ベンチスタートのメッシに代わってスタメンで起用されたセルジ・ロベルトは、この試合で先制点をお膳立てするなど、素晴らしい活躍を見せた。

 彼のような下部組織育ちの若手が成長してトップクラブに上がり、クラシコという大舞台で堂々とその実力を発揮する時、そこには育ってきた選手を見る楽しみ、期待感がある。これは、現在のレアル・マドリードには見当たらないものだろう。

 同時に、今シーズン大活躍しているネイマール、ルイス・スアレスの存在も心強い。ちなみに1年前、レアル・マドリードのペレス会長はスアレスのことを「たいした選手ではない」と言っていた。そのスアレスをバルサは獲得したのだが、その理由のひとつは、ライバルFWを置くことで競争させ、メッシにあぐらをかかせないという狙いがあった。そして今、それは功を奏していると言える。

 クラシコ終了時点で、ネイマール12点、スアレス11点と得点ランキングの1位と2位。今シーズンのバルサはメッシの負傷という苦境を乗り越え、「メッシ依存症」からの脱却をはかることに成功したのだ。

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