香川真司、武藤嘉紀。ブンデス日本代表組が陥った「過労の罠」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AFLO

 しかもこの日はテロを警戒して来場者へのセキュリティチェックが厳重に行なわれ、試合開始も15分遅くなった。スタジアムは独特のムードに包まれた。異例の事態はもちろん両チームに平等に影響したが、香川にとっては厳しさを助長するものだったようだ。

「明らかに試合の入りが難しく、特に前半のこういう雰囲気は初めてに近かったです」

 一方、ハンブルガーの酒井高徳はフル出場。ロイスやオーバメヤンを止めるなど、要所要所で活躍を見せた。先発は2試合目。今季ポジションを奪えずにいた酒井だが、同じ右SBのディークマイヤーが負傷による長期離脱のために転がってきたチャンスだった。

 実戦から長らく離れたこともあって、今回の日本代表には招集されなかった。ザッケローニ監督時代から継続して招集されていただけに、本人はショックだったようだが、このタイミングでクラブでの練習に集中でき、今後も先発が続く可能性が高い。うまく気持ちを切り替えたのだろう。

「代表は自分のせいで手放してしまった感じ。でも、こっちでしっかりやるしか戻る道はないと思っているので全然ネガティブには捉えてないし、ポジティブに試合ができている。それをしっかり続けて、日の丸を背負って試合ができるというのを味わえればいいかなと思います」

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