ダービーで先制弾。観客をあおる香川真司は「ドルトムントの中心」 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 大事な試合の先制点を決めたのは香川真司だった。前半30分、右サイドでオーバメヤンとのワンツーで抜け出したギンターがマイナスのクロスをゴールライン際から入れる。ボールはペナルティエリア内の中央、ディフェンスの前で待つ香川の頭にぴたりと合う。香川はそれをしっかりと叩きつけ、ゴール左隅に決めた。

「記憶にないですけど、きれいに決まった。集中していましたね。しっかりミートすることを意識していました」と、香川はそのシーンを笑いながら振り返った。

 よほど嬉しかったのだろう。ゴールを決めた香川は派手なガッツポーズを見せながらシャルケのサポーター席付近に走り、彼らの目の前で喜んでみせた。挑発したのだ。ドルトムントサポーター席からは、香川のチャントが久々に流れた。

「やはりダービーですしね。本当に試合前から特別な雰囲気があったので、しっかりと結果を残せて良かった。嬉しかったです」

 だがその3分後、すぐにシャルケは同点に追いつく。その後ドルトムントが追加点を決めて3-1としても、まだシャルケは諦めなかった。激しいボールの奪い合い、フィジカルコンタクトで、試合終盤には乱闘寸前にもなった。カウンターもポゼッションもできる今季のドルトムントに対し、シャルケの攻撃は、サネのスピードにフンテラール、ディサントが絡むカウンター一辺倒だった。それでもドルトムントを苦しめた。

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