岡崎慎司と吉田麻也。「フル出場が叶わない」ふたりの境遇

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 物足りなさの残る「日本人対決」だった――。

 レスター・シティの岡崎慎司は5試合連続となる先発出場を果たしたものの、前半だけで交代。かたやサウサンプトンの吉田麻也はベンチスタートで、60分から途中交代で投入された。ふたりは入れ違いでピッチに入り、2013年1月のサウサンプトン対マンチェスター・ユナイテッド戦で吉田と香川真司が相まみえて以来、2度目となるプレミアリーグでの日本人対決は実現しなかった。

またも岡崎慎司は前半だけで交代を命じられたまたも岡崎慎司は前半だけで交代を命じられた 不完全燃焼に終わった今回の一戦で感じたのは、「猛者の集うプレミアリーグで戦っていくことの難しさ」である。第9節を終えて8試合に先発している岡崎だが、前半の45分間だけで交代を命じられるのは3度目。3試合に1回はハーフタイムでピッチを後にしている現状から言えば、チーム内で絶対的地位は確立できていない。一方の吉田は、4-2-3-1の右サイドバックとして途中出場。本人の目標はセンターバックでの定位置確保にあるが、オランダ代表DFのフィルジル・ファン・ダイク加入後は、レギュラー争いから一歩遅れをとっている。

 それぞれ置かれている状況こそ違うものの、巨大な壁を乗り越えようと試行錯誤を続けている点で、ふたりは似たような境遇にある。

「何度も経験している展開でした」と試合後に漏らしたように、岡崎としては珍しくない試合展開だった。

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