PSGのGMがスポーツビジネスに新風を巻き起こすまで (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

「当時は時代の先端を行くエリアで、企業、研究機関、大学が1カ所に集まっていた。この3つが混じり合っている点が気に入った。他の場所では起こりえないことが起こるに違いないと思えた」

 学生のときから、ブランはスポーツの世界で仕事をしたいと考えていた。80年代半ばのスポーツ界はビジネスとしては小さかったし、「私にはコネも何もなかった」と、彼は言う。

「でも私はつねに、それなりの企業がやる気になればスポーツ界を必ず発展させられると信じていた。(タレントのマネージメント会社である)IMGのマーク・マコーマックのような人もすでにいた。その分野の第一人者であり、同時に生みの親ともいえる人物だが、彼はさまざまなイベントを手がける前に偉大なスポーツ選手の代理人の仕事から始めた」

「CERAMには、スポーツビジネスを専門に扱うコースはなかった。そこで私は、主に法律やマーケティング、国際商取引などを勉強し、当時はまだ非常に狭かったスポーツビジネス分野への扉を開け放とうとした」

 CERAMは「土台をつくってくれた」と、ブランは言う。「若い学生だった私は、ビジネスの世界に入るためには、法律や財政、会計、それに交渉の仕方を知らないといけないことを学んだ。さまざまな知識を取りそろえておかなくてはならない」

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