32年ぶりのユーロ予選敗退。オランダが弱くなった「真の原因」 (4ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 オランダ代表チームの監督人事は、KNVBのプロサッカー部門責任者ベルト・ファン・オーストフェーンが行なっている。企業の人事担当だった経歴を持つ彼は、短期戦略として、厳しいタイプのファン・ハールから自主性を重んじるヒディンクにつなぎ、中期戦略として、ダニー・ブリントをふたりの名将にコーチとしてついて学ばせ、将来の代表チーム監督にするプランを作った。そして今年6月にヒディンクが退任した後、ブリントは代表監督に就任。しかし、ユーロ予選の最後4試合を指揮したものの、結果は1勝3敗・4得点8失点と芳(かんば)しくなく、順位も3位から4位へと落としてしまった。

 ブリントはアヤックスの監督を務めたことがあるものの、リーグ4位と結果を残すことができず、その後はアヤックスのユース育成や、オランダ代表のアシスタントコーチを歴任してきた。つまり、監督としての実績はない。過去にもKNVBは、フランク・ライカールトやマルコ・ファン・バステンといった経験のない監督を指名するという、「実験的な人事」を行なっている。しかし一方、ライカールト(~2000年)→ファン・ハール、ファン・バステン(~2008年)→ファン・マルワイクというように、その後はベテラン監督に頼っている。

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