32年ぶりのユーロ予選敗退。オランダが弱くなった「真の原因」 (2ページ目)

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru  photo by AFLO

 2012年7月、再び代表を率いることになったルイス・ファン・ハール監督は、守備陣の世代交代と予選突破というふたつのテーマを抱えながら、2014年W杯の予選に挑んだ。陣形をやや引いて、コンパクトに戦うやり方で予選を突破したが、本格的にチームを改造したのは本大会直前の6週間。国内組を招集した1次キャンプで5バックの守備戦術と攻守の切り替えを叩き込み、2次キャンプ、3次キャンプで若手をふるい落としながら、最後は国外でプレーする主力選手と合わせていった。

 ヨーロッパの各国代表チームは、2年毎にW杯とユーロが開催されるため、本大会の2ヶ月後には次のビッグイベントの予選が始まり、結果を出さないといけない。ファン・マルワイク監督も、ファン・ハール監督も、オランダ代表の守備に弱点があるのをわかりつつも、予選中は最低限の手当てを施しながら、W杯直前のまとまった準備期間にチームを完成品に仕上げたのである。

 だが、オランダはW杯で成功を収めると、次のユーロで失敗する傾向が強い。なぜならば、オランダ人はサッカーに関してロマンチストであるため、常にポゼッションを獲り、敵陣に相手を押し込んで戦うサッカーが大好きだからだ。よって、守備的に戦って結果を残したW杯の後は、攻撃的なチームへ切り替えようとする。

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