117位から8位。ユーロ初出場ウェールズが急成長した理由 (5ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 もちろん、彼らの成長は降って湧いたものでない。成功譚の原点は、2004〜2010年まで監督を務めたジョン・トシャック政権までさかのぼる。レアル・マドリードやスポルティング・リスボンの監督を歴任したトシャックは、ベイルやラムジーら若手を積極的に起用。現代表メンバーの大半は、このトシャックのもとで経験を積んだのである。「ここ6〜8年は、同じメンツで戦ってきた。僕らの成功は、長年積み上げてきた努力の成果」とベイルが胸を張るように、「組織の熟成」が進んだことこそが最大の勝因だ。

 これまでウェールズは、茨(いばら)の道を歩み続けてきた。耐えに耐え忍んできた分、本大会で大輪を咲かせる可能性は十分にあるだろう。「本大会でもやることがあるから、まだ立ち止まらない。次は強豪相手に挑戦する」とベイルは語る。来年、ユーロ2016決戦の地フランスで、「ザ・ドラゴンズ」(ウェールズの愛称)はどんなプレーを見せてくれるか──。今から楽しみでならない。

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