デビューから3戦連続出場。エイバル乾貴士を待ち受ける次なる壁

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by JamMedia/AFLO

 だがリーガにおいて、日本人挑戦者は全員が半年から1年半以内に撤退を余儀なくされている。乾がこれから立ち向かうべき壁の正体とは――。

「乾はカウンタースタイルに合うアタッカー。ゴールに対するスピードとテクニックを持ち、それがストロングポイントになっている」

 スペイン人ジャーナリストで監督ライセンスを持ち、その選手評はジョゼップ・グアルディオラも認める、というヘスス・スアレスは乾について以下のように批評を続けている。

「乾はボール技術に優れ、トップスピードにのりながら、少ないタッチでシュートポジションに持ち込み、ゴールをこじ開けられる。堅守カウンターを掲げるアギーレ(前)監督が、日本代表で彼を重用したのは偶然ではない。左サイドから中央に侵入する形は、多くの日本人アタッカーが得意とするが、その機動力とシュートの鋭さには舌を巻く。持ちすぎるエゴイストではなく、組織を重んじる日本人らしく機能的」

 乾が修羅場を生き抜く武器を持っているのは間違いない。サイドアタッカーとして5~6番手でスタートしたが、入団1ヵ月あまりで2番手の座を奪いつつあるのはその証左だろう。

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