日本代表初選出。南野拓実自身が挙げた「今季ブレイクした要因」 (4ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 南野のミドルシュートによるゴールはまだ1点のみ。しかし、初先発したリエド戦の2ゴール目となったこのミドルシュートは、力の抜けたフォームから鋭い弾道をネットに突き刺すファインゴールで、現地放送局の実況を驚かせた。「いいゴールだったよね」と話を振ると、その顔からは思わず笑みがこぼれた。南野は「あれで自信になった」と振り返る。その後、結果に絡み続けていることを考えてもその言葉に偽りはないようだ。

 ただ、このゴールにも伏線があったように思う。それは10分に挙げた先制ゴールで、CKのこぼれ球を1トラップから左足で流し込んだ。出場機会がなかなかないながらも南野は「やれる自信」を感じていた。そんな時に巡ってきた今季初めての先発。「何が何でも点を獲ったろうと思ってたし、ここでチャンス掴まな、出場機会はなかなかない」と感じていた。南野の気持ちを落ち着かせる上で重要なゴールだったに違いない。

 今、南野はいい循環の中にある。言葉のハードルが低くなってチームに溶け込めたことでチームメイトとの相互理解は深まる。そこで結果を出したことでチームメイトからの信頼を勝ち取り、どんどんパスも出てくる。そして自分の中にあった手応えは結果を出したことで確信に変わり、その自信はゴール前の落ち着きとなってさらなる結果に繋がっていく。「1つ取ったことで良くなってきた」――そう南野は振り返った。

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