日本代表初選出。南野拓実自身が挙げた「今季ブレイクした要因」 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by AFLO

 その間、チームは危機的な状況に陥った。クラブにとって悲願であるチャンピオンズリーグ出場をかけた予選で8年連続で敗退しただけではなく、リーグ戦でも10チーム中9位の大不振。国内2連覇を達成している強豪クラブの見る影もなかった。

 そんなチームを救ったのが南野だ。今季初の先発出場となったリエド戦で2ゴールを決め、リーグ戦初勝利に貢献すると、その後も結果を残し続けてチームを復調に導いた。なかなか出場機会が巡ってこない時でも「やれる自信があった」という南野が、結果でそれを証明した形だ。

 今季の南野は誰が見ても文句のない結果を残し、そしてそれが今回の代表入りに繋がった。南野はザルツブルク加入当初から結果を出すことの重要性を常々口にしていたし、実際にそれを意識したプレーを見せてきた。そういう意味では南野は昨季から変わっていないようにも思える。ではなぜ今季、これだけの結果を残せているのだろうか。

 1つ目の要因として、南野は、言葉を使ってチームに溶け込めるようになったことを挙げた。南野がザルツブルクに加入してから9ヵ月が経ち、細かなニュアンスを除けばサッカーに関してはひと通りドイツ語でコミュニケーションが取れるようになった。実際、練習では通訳なしで監督の指示を理解し、後方の右SBの選手と守備の仕方について話し合う姿が見られた。

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