「要求はしている」。岡崎慎司が語ったチームメイトとの連係面

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 だが、ゴールを奪おうとする姿勢は、初得点を記録したウェストハム戦(第2節)以降では最も強く出ていた。極端に球離れの悪いリヤド・マフレズがベンチスタートになったことも重なり、岡崎にパスが入る回数は多かった。前半だけでシュートの数は3。シーズン開幕直後に比べれば、前線での「やりやすさ」は増してきている。

 それでも、完璧な連係を奏でているとは言い難(がた)い。MFダニー・ドリンクウォーターのボール奪取に合わせてDFラインの背後に飛び出しても、パスが出てこない。あるいは、ペナルティーエリア内で身体を切り返してフリーになっても、クロスが思うところに入らない。シュートチャンスの裏には、そんなシーンが何度もあった。それは、岡崎も課題だと指摘する。

「フリーで前を向かせてもらえる形があまりなかった。それは自分が見つけないといけないところだけど、本当に自分がいい動きができて、あとはドリンキー(ダニー・ドリンクウォーター)が斜めにパスを入れてくれるだけで抜け出せるという場面が、何回もあったんです。そこを要求するのが、なかなか難しい。まあ、要求はしているんですけど、(動き出しを)見るかどうかというのは、また別の問題なので。やり続けるしかないかな」

 周囲に生かされて輝きが増すタイプの岡崎は、精密な連係を構築できるかどうかが成否のカギを握ってくる。開幕から約2ヶ月が経過した今、手応えこそ掴んでいるが、まだまだ完成形には達していない。それが連係面における「現在地」である。

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