香川真司EL欠場。ドルトムントの視線はバイエルン戦へ (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by AP/AFLO

 もちろん、上記の5人を連れてくれば勝利できたのではないか、という批判もあった。だがトゥヘルは、「勝てたかもしれないし、勝てなかったかもしれない。だが、今日試合に出た彼らがどれだけこの試合を楽しみにしていたのかも知っている」と、一蹴している。単に人情味溢れる指揮官として、この日の出場メンバーを労っているわけではない。長いシーズンを戦ううえで、控え組も含めてチームをうまくマネージメントしていくことが重要になる。

 以前、香川は「去年までチャンピオンズリーグ(CL)を戦っていたチームがEL となると、モチベーション的に難しいのは事実」と話していたことがある。確かにそうだろう。欧州ナンバーワンを決める舞台ではなく、その下の1位を決める大会に意義を見出しにくいのは想像に難くない。ましてドルトムントはほんの数年前にはCLの決勝にまで進んだチームなのだ。

 だが主力以外の選手にとって、そんなことは関係がない。貴重なチャンスを生かさねばならない彼らに対して、及第点を与えたのが、トゥヘルのコメントの意味だった。リーグ戦ではベンチスタートが多いMFカストロは「いくつかのシーンで少しだけ運がなかった。勝ち点2を失ったが、満足しなくてはいけない」と語る。試合後の表情を見る限り、選手たちは手応えを感じているようだった。

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