岡崎慎司がアーセナル戦で掴んだ「やれるやん!」という手応え

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 しかし、ラニエリの狙いとは裏腹に、後半からチームとしてまったく機能しなくなる。慎重策にシフトしたことで、インテンシティや迫力、スピードが消え失せてしまったのだ。その要因のひとつが、岡崎の交代であったのは間違いない。

 前半のレスターは日本代表FWが前線からチェイスすることで、DFもラインを押し上げて陣形全体をコンパクトに保つことができた。さらに岡崎は、プレスバックして敵のセントラルMFからボールを奪い、ショートカウンターにもつなげていた。しかし彼が退くと、きつく縛っていた紐が解けたかのように、チームがバラバラになってしまったのだ。言うなれば、岡崎がピッチからいなくなったことで、その存在価値が改めて浮き彫りになった格好である。

 実際、試合後のミックスゾーンでも、岡崎は自身の出来に一定の満足感を示していた。

「(交代について)自分は割とポジティブというか、交代されるようなプレーはしていなかった。最近エネルギッシュなプレーができていなかったけど、今日はよくできていたと思う。次につながる45分間だった」

 岡崎のプレーは、メリハリがあって効果的だった。本人が試合前に掲げていたテーマは、「簡単にやれるところはやって、勝負するときは勝負する」。敵が寄せてくればシンプルにワンタッチで味方にさばき、前線と中盤をつなぐ潤滑油として機能。特にアーセナル戦で意識していたのが、「仕掛けの動き」だった。

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