レアルとバルサ、2強を苦しめる「FIFAウイルス」の猛威 (3ページ目)

  • 山本美智子●取材・文 text by Yamamoto Michiko photo by Rafa Hueruta

 バルサは昨季、ハムストリング負傷選手の数を前年度の半分以下に減らし、フィジカルコンディションの改善が二度目の3冠をもたらす要因になった。だが、今季序盤で「その基盤が崩れているのではないか?」と懸念されている。

 そういった声を跳ね返そうと、ルイス・エンリケはホームで行なわれた第4節のレバンテ戦で、それまでずっと先発で起用してきたルイス・スアレスをベンチに置き、メッシ、ネイマールにサンドロ、ムニルのアタッカー4人で攻める新布陣で戦った。この試合では4−1と大勝することができたが、次節のセルタ戦ではまさかの大敗(1-4)。限られた駒で試行錯誤が続く。

 今年はユーロ2016(欧州選手権)の前年ということでその予選があり、代表クラスの選手を多く抱える両クラブにとっては不利なシーズンとなる。昨今、代表戦での疲労を引きずった選手がクラブに戻ってから負傷することを、欧州メディアは「FIFAウイルス」と呼んでいる。こういった状況で倒れる選手はたいていひとりでは済まず、ウイルスにかかったかのように次々と倒れていくためこう言われるようになった。

 その対策として、レアルのベニテス監督はスタメンを固定せずにローテーションしており、同時に先発メンバーをできるだけ早く交代させるなど、選手のコンディション維持に腐心している。

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