ミラン連勝。ブーイングを浴びても本田圭佑が使われ続ける理由 (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 先週もこのコラムで書いたように、ミハイロビッチは本田の持つ資質を高く評価している。日々の練習で見せる努力とプロ選手らしさ、そして常に教えを守るところだ。これらはミハイロビッチがミランの全ての選手に望むものであり、これまで指導してきたチームの選手にも望んできたものである。

 また戦術面においては、彼の言う「オフ・ザ・ボールの時に自分を犠牲にできる」という言葉はとても重要な意味を持っていると思う。ミハイロビッチの指揮するチームはディフェンスラインが高い。ボールを取り戻した時に、選手の一人がその前にいれば、リスタートはもっと簡単にできるようになる。こうしたミハイロビッチの理念はパレルモ戦でも、よく見られた。

 しかし、守勢に回るとゴールを守るために何度も下がらなければならず、本田も敵と対峙するために後退。結果的にオフェンスのシーンではあまり光ることができなかったのだ。

 ミハイロビッチは周囲の空気や非難の声には左右されない、自分の信念を持った監督だ。

 さて、チーム全体に目を移すと、パレルモを3-2で破ったことはミランが再出発するための重要な起点となった。結果は黒星だったが、良い兆候を感じさせたダービーを最確認する形となったのだ。パレルモ戦のミランは非常によくまとまっていて、ミランらしいプレーも続けることができた。

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