吉田麻也がプレミアで生き残るために掲げた「ふたつの課題」 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 とはいえ、不慣れなサイドバックとして起用されている吉田を擁護できる部分もある。選手層が決して厚くないサウサンプトンで、昨シーズンからサイドバックでの出場は格段に増えた。器用さを買われての起用で、今シーズンもその流れは変わっていない。

 特に手薄となっているのが、ナサニエル・クライン(イングランド代表)がリバプールに移籍した右サイドバックのポジション。夏の市場でセドリック・ソアレス(ポルトガル代表)とクコ・マルティナ(キュラソー代表)を加えたものの、「クーマン監督は(サイドバックの新戦力に)しっくりきてないみたい」(吉田)といい、彼らより「1対1の守備力」で優る日本代表DFを「急造サイドバック」とし、右サイドを任せる機会が増えているのだ。言い換えれば、クーマン監督が背番号3(吉田)の守備力を信頼している証(あかし)でもある。

 しかし、サウサンプトンに来るまでサイドバックを務めたことがなかった吉田は、体力的にも感覚的にも、まだ完全には適応しきれていない。体力をセーブしようと攻撃参加を自重し、プレー自体も「無難にこなす」ことを心がけているというが、当然、感覚的なところで経験の浅さが出てしまう。

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