守備で貢献しつつゴールを目指したい、岡崎慎司のジレンマ

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 ハーフタイムになると、新戦力のFWネイサン・ダイアーが急ピッチでアップを開始した。そのダイアーが後半開始時から投入され、代わりに退いたのは岡崎慎司。日本代表FWのプレミアリーグ5試合目は、わずか45分であっけなく終わってしまった。

積極的なチェイシングで相手GKにプレッシャーをかける岡崎慎司積極的なチェイシングで相手GKにプレッシャーをかける岡崎慎司 しかしながら、パフォーマンスは決して悪くなかった。「最初の立ち上がりはメチャメチャ良かったと思う」と本人が言うように、序盤は積極的に仕掛けて21分までに2度のチャンスを作った。胸トラップから素早くシュートを放った1本目は、元イングランド代表DFのジョリオン・レスコットがブロック。ペナルティエリア内でグラウンダーのクロスをフリーで受けた2本目も、トラップが大きくなってシュートまでもっていけなかったが、ゴールへの姿勢は示していた。

「そこからチームとともにしぼんでいった」と唇を噛んだように、その後は見せ場を作れなくなっていったが、悲観しなければいけないほど内容が悪いわけでもない。交代を告げられると、岡崎は「『交代が俺かよ』という気持ちはあった。結局、俺かぁ......」と感じたという。

 岡崎の交代理由について、クラウディオ・ラニエリ監督は「世界中を飛び回って帰ってきた。悪くなかったが、これまでほど良いプレーでもなかった」と代表戦の影響を説明したが、岡崎自身は「自分の良さを出せなかったわけではない。周りの選手とさほど変わらなかった。みんな悪かった」とこぼした。

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