指揮官からキック。ドルトムント4連勝で香川真司が見せた余裕

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 だがドルトムントは先制されても攻撃の手を緩めなかった。中がダメならサイドと、時間とともに攻め方を見つけ出す。「3ボランチ気味で僕たちをはめてきたので、普段と違うのかなという感じはしたんですけど、両サイドバックが高い位置を取って、サイドの選手を生かす動きを意識しました」と、香川が説明する。

 前半終了間際の逆転ゴール。中央のミキタリアンが右サイドを駆け上がるギンターに展開。ギンターは相手が7人で守るペナルティエリアを確認すると、ペナルティエリア前のミキタリアンに戻す。ワンバウンドしたボールを、ミキタリアンはダイレクトで強烈なシュート。香川の説明通りに得点が決まっている。

 ドルトムントの攻撃陣の印象が昨季までとは違うと、酒井は語る。

「やっぱり攻撃に厚みがありますからね。セカンドボールに対して、常に2人でカバーリングしている。そこで拾って2次攻撃、3次攻撃につなげる。あとはシンジ君とギュンドアン。その2人がいつも空くようにボールポゼッションしているので、なかなかつかみきれなかった」

 後半の2得点は、ともに香川が起点になった。酒井が「ずっとビデオで研究してきた」と言う、香川が左サイドから斜めに入れるパスから生まれたチャンス。3点目は相手のオウンゴールを誘い、4点目は相手ディフェンスのハンドでPKを得た。

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