いま移籍市場でもっとも人気のある国籍の選手は? (5ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 だが、いま最も人気の国籍はベルギーだ。バルセロナに昨年移籍したトーマス・フェルメーレン、マンチェスター・シティがこの夏の移籍市場で最高額の5400万ポンド(約100億円)で獲得したデ・ブライネ、リバプールが3250万ポンド(約60億円)で獲得したクリスティアン・ベンテケといった例をみると、ベルギー人選手は実力以上の評価を受けているようにも思える。
 
 けれども、よく考えてみれば、最も過大評価されている国籍はイングランドかもしれない。才能ある選手が少なく、騒がしい大衆紙があることから、イングランド人の優れた選手は実力以上に持ち上げられる。

 マンチェスター・シティがリバプールからラヒーム・スターリングを獲得するのに4900万ポンド(約90億円)を使った理由は、これで説明がつくかもしれない。この金額は、スターリングと同年代のメンフィス・デパイの獲得にマンチェスター・ユナイテッドが投じた額の2倍に近く、チェルシーがペドロとジエゴ・コスタのふたりを獲得するのに使った額とほぼ同じだ。エバートンはチェルシーからジョン・ストーンズの移籍を実に3700万ポンド(約68億5000万円)で持ちかけられ、断ったと伝えられている。

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