いま移籍市場でもっとも人気のある国籍の選手は? (2ページ目)

  • サイモン・クーパー●文 text by Simon Kuper  森田浩之●訳 translation by Morita Hiroyuki

 オランダ人らしいと言うべきか、ファン・ハールは自分の感情をそのまま表に出す。選手を人前でどなりつけることも多い。こうした点がラテンアメリカの選手には嫌われる。グローバルなクラブは、文化の違いに敏感なスタッフを雇う必要がある。

7 プレミアリーグがいくら財政的に潤っても、バイエルンやバルセロナ、レアル・マドリードのほうが選手を引きつける

 国際監査法人のデロイトによれば、ヨーロッパで2番目に豊かなリーグであるセリエAはこの夏の移籍市場で4億600万ポンド(約751億円)を使ったが、それでもプレミアリーグの支出の半分にも満たない。リーガ・エスパニョーラの支出は4億ポンド(約740億円)、次がブンデスリーガの2億9000万ポンド(約537億円)だ。

 イングランドと他国のクラブの差は広がりつづけている。とくにポンドがユーロに対して高くなって以降、その傾向が強まった。この夏にはドルトムントのようなドイツのビッグクラブが、マンチェスター・ユナイテッドで出場機会に恵まれない若手FWアドナン・ヤヌザイをレンタルで獲得したほどだ。バイエルンも、マンチェスター・シティがケビン・デ・ブライネの獲得に支払った5400万ポンド(約100億円)と競り合えるだけのオファーを出せなかった。

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