ドルトムント連勝。香川真司がいまフル出場にこだわる理由

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 27分、ドルトムントの右CK。ロイスのショートコーナーを受けた香川はドリブルでゴール前に入ると、ピンポイントのクロスをファーサイドに上げた。ボールはディフェンスの後ろにいたフンメルスの頭にぴたりと合い、これが先制点に。「うまく上げられた」と、香川が自画自賛するクロスだった。ドルトムントは後半、集中を切らさないヘルタに1失点したが、それでも勝ち切った。

 試合終盤の香川には、GKが飛び出して無人になったゴールへのシュートを外すというシーンがあった。3点目も起点になったとはいえ、ペナルティエリア内でシュートを打つチャンスにあえてパスを選択している。暑さと疲労の影響は明らかだった。それでも香川はフル出場に強いこだわりを見せた。

「後半の最後、チャンスが絶対来るので、そういうところで結果もついてくる。交代したいという思いはまったくない。使われ続けていくことで、結果としてプレーで応えていきたいですし、スペース、サイドが空いた時間に結果を残していきたい」

 試合終盤になれば相手の足も止まり香川自身の得点のチャンスも増える。それがフル出場にこだわる理由だった。この日は結果を残すことができなかったが、落ち込む様子はない。

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