乾貴士、エイバル移籍。鬼門の地スペインで戦うには何が必要か

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by AFLO

 ドイツに比べれば、イングランドのプレミアリーグで日本人は悪戦苦闘しているが、稲本潤一は奮闘し、足跡は残した。今シーズンからレスターに移籍した岡崎はプレー強度の高さに堂々と挑み、縦に意識の高い戦術にも順応。すでにラニエリ監督の信用も得て、得点も決め、飛躍の予感が漂っている。

 一方、リーガエスパニョーラは日本人にとってはほとんど未踏の地と言える。

 過去に最も活躍した選手は、マジョルカに在籍した大久保嘉人だろう。デビュー戦でいきなりゴール。1部残留の立役者になった大久保は一時、「救世主」と崇められた。だがシーズンを通すと波が大きく、2年目は出場機会を失った。城彰二、西澤明訓、中村俊輔、家長昭博、ハーフナー・マイクに至っては、わずか半年の在籍で去っている(家長は1年近くいたが、2年目は戦力外で実働は半年)。

 なぜスペインで日本人は失意を味わっているのか?

 その理由は単純明快である。リーガが世界最高のリーグで、プレーレベルが格段に高いからだ。例えば、一昨季のチャンピオンズリーグ(CL)決勝はレアル・マドリード対アトレティコ、昨季のCL王者はバルサ、ヨーロッパリーグ王者はセビージャ。今シーズンのCLには最多5チームが本戦に出場している。メッシ、C・ロナウド、ネイマールに代表されるように、世界中の猛者が集うリーグだ。

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