岡崎慎司が自ら見つけた「セカンド・ストライカー」という居場所 (3ページ目)

  • 田嶋コウスケ●取材・文 text by Tajima Kosuke  photo by AFLO

 意外だったのは、このセカンド・ストライカーとしての「動き」や「役割」は、岡崎自身で見出し、そして実践している点だ。プレシーズン期間、レスターでの指示や役割分担がブンデスリーガ時代ほど細かくないことに、岡崎は心底驚いていた。起用位置も、3-4-1-2の「2トップ一角」や、「トップ下」のほか、3-4-3の「右FW」と複数を経験。加えて、昨季のチーム得点王であるレオナルド・ウジョア、クロアチア代表FWのアンドレイ・クラマリッチとの定位置争いも横一線の状況だった。試行錯誤を続けるなかで、「このチームにはそういうタイプがいないから」と岡崎が考えたのが、セカンド・ストライカーの動きだったのである。

「バーディーとの縦関係? 自分の考えでやっています。やっぱり能力の高い選手がいっぱいいるんで。そいつらのフォローを一番に考えていますね。2人目、3人目の動きを自分は心がけるようにしている」

 イタリア人指揮官は、FWの選手にも守備意識を徹底させている。一方の岡崎としては、自分のカラーを出して定位置獲りにアピールしたい。「守備をはしょっていたら開幕戦は出られなかった」と言うように、指揮官の指示に折り合いをつけ、さらに得点力や献身性といった自身の色を多分に加えることで、レギュラーの座を確保したのだ。

 さらに興味深いのは、岡崎がセカンド・ストライカーの役割を担うことで、レスターのチーム力をひとつ上のレベルへと昇華させた点だ。

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