開幕戦圧勝。香川真司とドルトムントが蘇った理由

  • 了戒美子●text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 新生ドルトムントが上々の滑り出しを見せた。昨季3位で今季はチャンピオンズリーグ(CL)に出場するボルシアMGに4-0で完勝した。

 クラブの顔であり象徴でもあったクロップ監督が退き、8シーズンぶりに指揮官が交代。ドルトムントにとってはチームの立て直しをはかる重要な1年となる。開幕戦では新たな側面を見せながら結果も出し、満員のスタジアムをわかせることに成功した。

ボルシアMG戦に先発、後半35分までプレイした香川真司ボルシアMG戦に先発、後半35分までプレイした香川真司 プレシーズンの状態は決して好調と言えるものではなかった。アジアをまわるツアーの後、スイスでキャンプを行ないドイツに戻った。昨季はドイツ杯決勝まで戦っており、今季はヨーロッパリーグ(EL)予選3回戦から登場。欧州のトップリーグのクラブではオフが最も短い部類に入る、過酷な夏となった。EL予選、そしてドイツ杯1回戦と、ここまで3試合の公式戦を経ている。試合では負けてはいないが、安泰とは言いがたかった。

 この日の戦い方は、昨季とは明らかに違った。チーム始動の最も早い時期にあった日本でのフロンターレ川崎戦後、香川真司は「意外にボールを大事にする」とトゥヘル新監督のサッカーへのファーストインプレッションを語った。「意外」にというのは、マインツ時代のそのサッカーは、岡崎慎司を軸としたカウンター一辺倒になりがちだったからだ。

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