バイエルンに完敗。それでも本田圭佑の表情が明るい理由 (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 試合は立ち上がりからバイエルンが完全にペースを握り、約30分間、ミランはほとんど自陣から出ることさえできなかった。その原因を本田は明確に感じ取っていた。

「想像以上の完敗になった理由は、同じ戦いで、向こうの土俵(戦い方)で戦おうとしたところかなとは感じますね。例えばチェスカ(CSKAモスクワ)でもCLを戦って(2季前にバイエルンと戦い敗れている)、ここまでは差がない試合になってました。理由は、チェスカの場合はバイエルンと同じ土俵で戦うつもりは最初からないし、守ってカウンターとかだったから。今日は向こうと同じポゼッションサッカーで、つなごうとしたときに向こうのプレスの餌食にずっとなっていた。今日の決定的な向こうとの技術の差、単純なプレスのかけかたの差(の要因は)、向こうはずっとこのメンバーでやってる部分がありますし、こっちは新しく監督が入って来て、ビビらずポゼッションをやってみたけど、結果、完敗だった」

 CSKA時代のCLと違い、この日は親善試合。自分たちのやりたいことにトライした結果の完敗だったからだろう、かなりサバサバとした様子だ。

「同じ土俵で戦わないと見えないことがあるので、逆に良い勉強になったなというのが率直な感想ですけどね。2年前の衝撃とは全く違い、こっちのほうが学ぶことが多いですね。同じようなことをできたらなと思いながら、こっちはできてないわけでしょ? 向こう、上手いな、なるほどそういう風に回したらイヤだろうなというように、向こうの気持ちに立ちながら(やっていました)」

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