武藤嘉紀にマインツ・シュミット監督が求めるのは何か (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 チームを抜けたもう1人はボランチのガイスだ。岡崎同様、マインツには2シーズン在籍し、新シーズンはシャルケでプレイする。一昨季は33試合、昨季は34試合に出場し、しかもその大半は先発だった。カウンターを指向したトゥヘル監督から、ポゼッションを指向したシュミット監督へとサッカーのスタイルが変わっても、ガイスは変わらず守備的MFとして力を発揮した。

 技術も攻撃への意識も高い上に、93年生まれという若さでゲームキャプテンを務める大黒柱だった選手が抜けた穴は大きい。後釜には以前からリストアップされていたというバーゼルのスイス代表フライが加入。中盤の補強は「これで済んだ」とシュミット監督は語っている。

 彼らを放出したことでマインツが手にした移籍金は2000万ユーロ(約27億円)前後と言われている。その潤沢な資金を元手に獲得された2列目の選手が、武藤とハンブルガーから加入したバイスターだった。

 2人はともにウィングタイプ。シュミット監督が今季の強化ポイントに挙げていたポジションだ。ただし、指揮官は武藤に関して「スピードと高い技術」を評価する一方、バイスターに関しては「速くクリエイティブ。得点力がある」としており、岡崎を放出したからではなく、彼が必要だったから獲得したのだと強調している。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る