アルゼンチン人監督が席巻のコパ。決勝はビエルサの弟子対決に (4ページ目)

  • 三村高之●文 text&photo by Mimura Takayuki

 これで息を吹き返したチリが先制するが、ペルーもしぶとくメデル(インテル)のオウンゴールを誘い同点とする。「1点を返されてから、リズムが悪くなった」とサンパオリが語るように、それからは膠着状態となる。

 リズムが悪い大きな原因は、攻撃の主軸であるサンチェス(アーセナル)とビダル(ユベントス)の不振だ。サンチェスはキレがなく、ボールを受けても安全にさばくだけで、持ち味の突破力は影を潜めていた。ビダルはしばしばボールを奪われ、ピンチの元を作る。1人多いとは思えない状態は試合終了まで続いたが、64分にバルガス(QPR)が決めたこの日2発目のゴールを守りきり、28年振りの決勝戦に駒を進めた。

 準決勝第2試合はアルゼンチン対パラグアイ。この両者はグループリーグでも対戦し、前半はアルゼンチンの2-0、後半はパラグアイの2-0で引き分けている。パラグアイのディアス監督は、「あの試合で学んだのは、退きすぎてはいけない、ということだ。攻めなければ勝てない」と積極策を示し、勝ったら自動車をプレゼントするという約束をして選手を鼓舞した。

 しかし、立ち上がりこそ互角で最初のシュートもパラグアイが放ったが、その後は繋ぎに勝るアルゼンチンがゲームを支配した。前半は1-1だったものの、後半にアルゼンチンが一挙に5得点を奪い大勝した。

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