アルゼンチン人監督が席巻のコパ。決勝はビエルサの弟子対決に (2ページ目)

  • 三村高之●文 text&photo by Mimura Takayuki

 ペルーのガレッカ監督は、現役時代、エル・ティグレ(虎)の名で恐れられたストライカーだった。彼について興味深いエピソードを、元全日空、福岡ブルックス(アビスパ福岡の前身)でプレイしたピッコリが語ってくれた。両者がリバープレートのチームメイトだったときの話だ。

 ピッコリは新人で、ガレッカはバリバリのスター選手。ある試合の前半でいくつかのチャンスを逃したガレッカは、ハーフタイムで監督に自ら交代を申し出た。故障をしているわけでもなく、チームに迷惑をかけたことに責任を感じてのものだった。ピッコリは、「南米にそんな選手はいない。感動した」とガレッカの人間性を称賛する。

 アルゼンチン人はとかく"上から目線"になるが、彼にそんなところはない。またペルーの名門ウニベルシタリオを率いたこともあり、ペルー人気質を理解している。ストライカーだったせいかFWを軸にしたサッカーを展開。攻撃陣にはヨーロッパで活躍するゲレロ(フラメンゴ/ブラジル)、ファルファン(シャルケ)、ピサロ(バイエルン)がおり、ガレッカの戦術が彼らの良さを引き出している。

 そしてパラグアイを率いるのは、Jリーグ初代得点王のディアス監督だ。引退後すぐに古巣リバープレートの監督に就任し、翌年からのリーグ3連覇を含め8度の優勝を経験。戦術面で特筆するものはないが、何かを持っている。

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