混迷する世界王者。「ドイツの時代」は早くも終焉か... (3ページ目)

  • 鈴木良平●解説 analysis by Suzuki Ryohei text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

 まずは、ラーム。彼はまさしくチームの精神的な支柱だった。ラームがいることで、ドイツ代表はうまくまとまっていた。後任のシュバインシュタイガーもよくやっているが、故障を抱えていることもあって、その統率力はやや乏しく感じられる。

 言うなれば、ラームがいなくなって、ドイツ代表における彼の存在の大きさを改めて痛感している。外から見ている人間がそうなのだから、チーム内ではそれ以上に“ラーム不在”の影響を感じているのではないだろうか。

 また、本来中盤の底や右サイドバックを務めるヘヴェデスが、代表では左サイドバックを任されていることからもわかるように、ドイツ代表はとにかくサイドバックの人材が不足している。そうした状況にあって、左右両方のサイドバックをこなせるラームが欠けたことは、かなりの痛手だ。

 ブラジルW杯の際にも、センターバックのボアテング(バイエルン)やムスタフィ(バレンシア/スペイン)を右サイドバックで起用したが振るわず、結局準々決勝のフランス戦からはラームが右サイドバックを務めた。現在も、本職はMFのルディ(ホッフェンハイム)らを試しているが、いまだラームに代わる適切な人材は見つけることができていない。やはり、その穴は大きい。

3 / 6

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る