コパ首位通過のアルゼンチン。メッシと監督の微妙な関係

  • 三村高之●文 text by Mimura Takayuki photo by Getty Images

 同組の前回チャンピオン、ウルグアイにも触れておこう。ウルグアイはジャマイカに1-0で勝ち、アルゼンチンに0-1で敗れた後、パラグアイに1-1で引き分け、アルゼンチン、パラグアイに次ぐグループ3位となったが、何とかベスト8進出は果たしている。

 2010年の南アW杯4位、翌11年のコパ・アメリカ優勝、そして12年6月にはFIFAランキング2位となった数年間はウルグアイの黄金期だった。だがこのときの主要メンバー3人が現在の代表にはいない。キャプテンにして守備の要だったルガーノ、攻撃の牽引役フォルラン、そして得点源のスアレスだ。単なるレギュラーではなく、チームに計り知れない影響力を持つ3人だったので、彼らがいない現在の代表は全く別のチームといえる。

 スアレスはブラジルW杯での噛みつき事件の処分が解ければ戻って来るが、ルガーノとフォルランはもはや過去の選手。タバレス監督は、ゼロからのチーム作りを強いられている。

 やがて復帰するスアレスとカバーニの2トップは現在も破壊力抜群。問題は、どうやってそこにボールをつなぐかだ。タバレス監督は今大会をテストの場と割り切り、レコバの再来といわれた天才肌の攻撃的MFのロデイロをボランチに起用した。プレスの厳しい位置から下げ、前線へ正確なフィードをするのが狙いである。しかしロデイロは不慣れな守備に精一杯で、攻撃面では見せ場を作れなかった。今後も、タバレス監督の試行錯誤は続くだろう。

 決勝トーナメントは6月24日(現地時間)から始まる。

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