ユーロ予選で見えてきた「2015年ヨーロッパ新勢力図」 (6ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 英国4協会のひとつであるウェールズは、過去一度だけワールドカップ(1958年・スウェーデン大会)を経験しているものの、これまで大きな大会とは無縁の存在。それは、ウェールズ史上最高のタレントとされるライアン・ギグス(元マンチェスター・ユナイテッドFW)の全盛期においても同じだった。ところが現在のチームには、FWガレス・ベイル(レアル・マドリード)、MFアーロン・ラムジー(アーセナル)といったタレントを軸に、プレミアリーグで活躍する選手を数多く揃え、総合力がアップ。グループBで首位に立っている。

 とりわけ、6月12日に行なわれたホームでのベルギー戦では、相手のクリアミスから得たチャンスをベイルが逃さず1-0で勝利。グループの本命ベルギーとの直接対決を1勝1分けと勝ち越したことで、予選突破はぐっと現実味を帯びてきた。このまま順調に試合を消化すれば、おそらくクリス・コールマン監督率いるウェールズは悲願を達成し、来年フランスの大舞台に立っていることだろう。

 ブラジル・ワールドカップからわずか1年で、ヨーロッパの勢力図はガラッと変わった。3年後、ロシアの地に立っているのは、どの国だ?


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