「悩みながら前進」。本田圭佑がこの1年で語ってきたこと (4ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Fujita Masato

 厳しかったシーズンの終盤、第37節トリノ戦後、本田は日本代表のハリルホジッチ監督についてこうコメントしている。

「経験豊富な監督であることは間違いないですよね。やはり世界での勝ち方を知っている人間というのは必須なんじゃないかなと思う。選手も世界での勝ち方を知っている選手というのが求められてくる。そういう意味では今の経験値、実績は、選手としてはやはり全体的に物足りないかなと思う」

 指揮官だけでなく、自らの現在に関しても語り、話は今後のミランに及んだ。

「イタリア代表で中心になっているような選手がミランには必要だと思う。どちらにしても、何度も言っているように簡単なプロジェクトではない。選手としてカカ、バロテッリ、ロビーニョでさえもミランを立て直すことはできなかった。個人の損得でこのチームを去っていく選手は多いが、来季も、少なくとも自分は必要とされるならばここに残りたいと思っている」

 試合直後の感情の高ぶりもあっただろうが、それは現10番としての、ミランへの愛着と再建への覚悟の表れともとれた。

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