「悩みながら前進」。本田圭佑がこの1年で語ってきたこと (2ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Fujita Masato

「なかなか開幕戦というのは慣れないですけど、それでも、確実に良い準備をしてきたという自負は、良くないなりにあったので、信じてやるしかなかったという勝負だった。バクチというか。実際そんな簡単な試合じゃなかったし、チャンスも少ない中で、あの1本を外していれば、今日は(自分は)ゼロゴールだった。試合に勝てていたかどうか分からない、そういうギリギリのところでの勝負を制することができたのは嬉しく思っています」

「納得してるのはチームが勝てたこと。ただ内容は決して改善(しているとは言えない)......。常に新たな課題がどんどん出てきますから。新しいことができても、前にできていたことができなくなったり。それは今日も出たんじゃないかなと思うので、また反省ですね」

 続く第2節パルマ戦は派手な打ち合いになり、本田のゴールを含む5-4というスコアで制している。この時も、言葉は厳しかった。

「望んでああなった訳じゃないんですけど、まだばたばたするところは今の自分たちの課題なのかな、と。やはり昔の黄金期のような、1点差があれば慌てずに90分間守りきることができるような戦いが本来は理想なんだと思うんですけど、そういう意味では満足できるような内容ではない」

 本田はリーグ戦序盤、7戦6ゴールでチームを牽引した。だが、第8節以降は完全に音なしとなる。周囲とのコンビネーションの問題もさることながら、相手からのマークに苦しんだ。前半戦のラストとなったアウェーでのローマ戦後、その事実をこう語っている。

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