南米の「今」が分かる。コパ・アメリカはこんなに魅力的! (4ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 とはいえ、仮にファルカオが復調できないままベンチに座ったとしても、FW陣にはジャクソン・マルティネス(ポルト)やカルロス・バッカ(セビージャ)といったヨーロッパ屈指の点取り屋がいるうえ、ビクトル・イバルボ(ローマ)、ベテランのテオフィロ・グティエレス(リーベル・プレート)、サイドアタッカーのフアン・ギジェルモ・クアドラード(チェルシー)も控えており、攻撃力は申し分ない。

 逆に守備力についてはやや寂しいところもあるが、ペケルマン監督は引き続きカウンターを武器にしたチームを作っているだけに、大崩れするようなことはないだろう。

 一方、コパ・アメリカ独特の地の利を生かすことができれば、チリが初優勝を遂げる可能性もある。最大のキーマンは戦略家のアルゼンチン人監督ホルヘ・サンパオリで、ブラジル・ワールドカップでも証明したように(ベスト16進出)、前線からの激しいプレッシングと縦に速い超攻撃的サッカーが、このチームの特長だ。サンパオリが崇拝する名将マルセロ・ビエルサ(1998年〜2004年:アルゼンチン代表監督、2007年〜2011年:チリ代表監督、現マルセイユ監督)のサッカーを継承したスタイルと言っていいだろう。

 チームの中心はアレクシス・サンチェス(アーセナル/FW)とアルトゥーロ・ビダル(ユベントス/MF)だが、それ以外にもブラジル・ワールドカップ後にステップアップして新天地で活躍している選手が多く、ブックメーカーの予想では1位アルゼンチンと2位ブラジルに続き、今大会3番目の評価を受けている。1年前と比べても、チーム力は間違いなく上がっている。

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