ピルロ最後のCL決勝。「圧倒的不利でも可能性はゼロじゃない」

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 もちろん、一発勝負の決勝では戦い方は変わってくるし、相手があのバルサである以上、彼らに先制を許すというシナリオも想定している。

 ただ、なんといっても僕にとって、おそらく最後の試合だから、とにかく心ゆくまで楽しみたい。結果がどうなるか分からないけど、この一戦を思う存分満喫したい。

――このところ各メディアが「ピルロ、カタール行き」を報じています。欧州最高峰の舞台に立つアンドレア・ピルロをファンが目にするのは6月6日が最後になるのでしょうか。

そういうことになると思う。もちろんキャリアの終盤でCL決勝の舞台に立てると確信していたわけではないけど、できることならこの最高峰の舞台を最後にイタリアでのキャリアを終えたいと願っていたのは事実だ。ましてやその地がベルリンということになればもう……。

――とはいえ、「引退」ではないのですから、来年にはユーロ(欧州選手権フランス大会)が控えています。やはりイタリアに残る方が得策ではないでしょうか。残ってもらいたいとファンの大半が願っています。

 ファンには本当に心から感謝しているよ。でも、(カタールリーグからのオファー以外に)アレッサンドロ・ネスタ(元ミラン/元イタリア代表DF/アメリカMLSのモントリオール所属)という悪友が、「MLS(Major League Soccer)はいいぜ」と何度も言ってくるんだ(笑)。

 まぁそれはともかく、正直なところ、今は対バルセロナにのみ集中している。僕が目指す場所はひとつ。それはもちろんベルリン。06年にイタリア代表がW杯のカップを掲げたあのオリンピアシュタディオンだ。「Iniziamo ad andare a Berlino…」(さぁ、そろそろベルリンヘ出かける準備を始めようか……)

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