ピルロ最後のCL決勝。「圧倒的不利でも可能性はゼロじゃない」 (4ページ目)

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

――そして、いよいよCL決勝です。

準決勝のレアル戦、第2戦を終えた直後に、カルロ・アンチェロッティ(今季までレアル・マドリード監督/2001年~2009年にミラン監督としてピルロを指導)とロッカールームで会った時、彼と僕は互いの健闘を称え合いながら固い握手を交わした。その別れ際に、カルロは僕にこう言ったんだ。「アンドレア、絶対に負けるなよ」と。

 1年前の5月24日、アンチェロッティ率いるレアルが、クラブ10度目のCL制覇をリスボンで達成した夜、僕がレアルへ声援を送っていたように、今度はアンチェロッティが最も熱くユーベを応援するひとりであることは間違いない。そして彼は、もちろんこれからも僕にとって最も大切な“恩師”であり続ける。

――バルセロナの強さはレアルを上回っています。バルサに勝つには何が必要でしょうか?

今季のバルセロナはレアルを上回っている。それは僕もその通りだと思う。レアル戦とは異なる戦い方がユベントスには求められるだろう。ただ、残念ながら“その策”をここで明かすわけにはいかないけどね(笑)。

 ただ、戦いの舞台がカンプノウ(バルセロナのホーム)でないことは、僕らにとって小さくはない幸運じゃないかな。10万人の観客で埋まるあのスタジアムでバルサと戦うことほど難しいことは他にないからね。

 そうは言っても、舞台が中立地のベルリンであることはあくまでもひとつの要素に過ぎない。戦いの場がどこであろうと、バルサの強さに変わりはないからね。なのでまぁ、もうここまで来れば、やっぱり例のアッレグリ監督の言葉、“デカイふたつの……”(前編記事参照>>)が意味するスピリットで向かっていくしかないと思うよ。可能性はゼロじゃない。

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