ピルロが語るCL決勝への思い。
「これが僕の最後の試合になる」

  • クリスティアーノ・ルイウ●取材・文 text by Cristiano Ruiu 宮崎隆司●翻訳 translation by Miyazaki Takashi

 あのスタジアムで戦う難しさは、ベルナベウと同じぐらいだろう。僕は2006年W杯準決勝の経験(ドイツ対イタリア。ヴェストファーレンシュタディオンでイタリアが2-0で勝利)があるからそう断言できる。

 ドルトムント戦で、僕らはホームでの初戦で得た優位(2−1)を“守りきる”こともできたが、「あくまでも点を獲りに行く」という監督の指示を受け、3−0の勝利を収めた。4年をかけて育(はぐく)んできた「勝者のメンタリティ」が形になった瞬間とも言える。

――そのドルトムント戦、ホーム(2月24日/2-1でユベントスが勝利)で先制するもDFキエッリーニが足を滑らせ失点。直後にはあなたが故障(右脹脛肉離れ)で退場を余儀なくされました。

 これまでのユーベであれば、間違いなくやられていただろう。ところが今季のユーベはその難しい状況下で動じないだけの強さを備えていた。レアル戦でもそうだったけど、ホームでの初戦で僕らは先制しながら一瞬の隙を突かれて同点にされている。ところが、一気に崩れる可能性がある展開であっても、動じることはなかった。

 そして、マドリードでの試合の結果は1−1。最も重要だと僕が思うのは、その試合の後半、レアルにシュートをほとんど打たせなかったことだ。これが意味するところは、言葉にする必要もないだろう。アッレグリ監督の言葉を借りれば、そんな芸当は「肝の据わった“デカいふたつのタマ”を持つ男たちの集団でなければ成し得ない」(笑)。

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