復調した本田圭佑。だが今のミランには何も残っていない (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 前半のサッスォーロの1点目はどう見てもゴール裏の補助審判が見違えたものとしか思えなかった。GKのディエゴ・ロペスはシュートをキャッチしきれず、一度はボールを落とすというミスをしたものの、ゴールラインを完全に超える前にはボールを止めていた。ご存じのようにサッカーのルールではボールが全てゴールの中に入らなければ得点とはならない。しかしこの日の審判はこれをゴールと認めてしまったのである。

 このミスジャッジはセリエAのゴールラインテクノロジー導入について、新たな論争を巻き起こすに違いない。ゴールラインテクノロジーとはゴール付近に複数のカメラを設置し、ボールがゴールラインを割った場合に審判に信号が送られるというシステムだ。昨年のW杯でも採用され、現在イタリアでもその導入が検討されている。それもうなずける話だ。なぜなら今シーズン、このゴール裏の補助審判のミスジャッジがかなり多く、たびたび問題となっているのだ。

 しかしとにかく審判のジャッジは絶対。この試合の記録には、ミランの敗戦と、サッスォーロのべラルディのハットトリックだけが残るだろう。それにしてもベラルディはミランにとって鬼門のようだ。これまでのサッスォーロ・ホームでの2戦でベラルディはミラン相手に実に7ゴールを決めているし、対戦した4試合のうち3試合で勝利している。ミランのような伝統あるチームに対しこれほどの強さを見せる選手はそうはいない。

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