欧州総括2014-15。リーグを湧かせたティーンエイジャーたち (2ページ目)

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi  photo by AFLO

 ズマを起用するようになったモウリーニョは、「彼はリーダーシップも兼ね備えている。いずれジョン・テリーの後継者となるだろう」と、その将来性に太鼓判を押している。昨年10月に20歳になったばかりのズマは、今年3月にはフランス代表デビューも飾った。来シーズン以降、彼の注目度はますますアップするに違いない。

 そしてもうひとり、プレミアでブレイクした若手を挙げるなら、3月に20歳になったアーセナルのスペイン人右SBエクトル・ベジェリンだろう。SBマシュー・ドゥビュシーが戦線離脱している間にすっかりスタメンに定着したベジェリンは、40メートル走で4.41秒をマークしたほどのスピードの持ち主(ちなみにウサイン・ボルトが持つ100メートル世界記録9.59秒では40メートル地点で4.64秒)。ドリブルもクロスもハイレベルで、昨シーズンにサウザンプトンでブレイクして今シーズンからマンチェスター・ユナイテッドでプレーする19歳のイングランド代表左SBルーク・ショーとともに、将来を嘱望されている。

 一方、リーガ・エスパニョーラではバレンシアのスペイン人左SBホセ・ルイス・ガヤが、19歳とは思えない堂々としたパフォーマンスで大ブレイクした。少年時代はFWだったこともあり、ドリブルスピード、左足のキック、ボールテクニックは申し分なく、何よりもその攻撃的なメンタリティを最大の武器とする。例えるなら、レアル・マドリードのSBマルセロのようなタイプだ。

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