1部残留へ。ヘルタ原口元気が信頼を勝ち得た理由 (2ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yuhei Yamaguchi photo by Getty Images

 そんな原口の姿勢はデータにも表れている。ブンデスリーガでは各試合におけるボール支配率やシュート数といったチームのデータだけでなく、走行距離や1対1勝利数、ボール関与回数などの各選手のデータも公表されるが、走行距離とスプリント回数において原口はチーム内で高い値を示している。

 だが終盤戦に入って出場機会が増えた要因を、原口自身は1対1で勝てるようになったことだと見ている。「こっちに来て相手も強いからなかなか難しい部分がありますけど、なんとか粘って粘って、勝てるようにしたい」――リーグも中盤戦に差し掛かろうとしている頃、原口はそんな想いを口にしていた。実際のところ、前半戦でも原口の1対1の勝率はチーム内でも決して低くはなかったが、勝てる試合と勝てない試合とでムラがあるのも事実だった。

「前半戦はケガしたこともあって1対1のシーンで負けてしまうことが多かったですけど、練習で意識することによって、だんだんブンデスでも1対1の球際に勝てるようになってきたし、ドリブルでも抜ききれるシーンが多くなってきた」

 原口は自身の成長をこう分析する。事実、データによれは原口が1対1の勝利数でチームの1、2位を争うことは珍しいことではなくなってきた。試合展開によって多少数値にバラつきはあるが、最近6試合では3試合でチーム最多の1対1勝利数を記録しているのだ。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る