CL準決勝でレアル敗退。モラタの決勝ゴール生んだ慢心の数々 (2ページ目)

  • 山本孔一●文 text by Yamamoto Koichi photo by Mutsu Kawamori/MUTSUFOTOGRAFIA

 この日、行なわれた第2戦でも、どこかフワフワとしたものがチームを包んでいた。歓声は出ているものの、チームが勝つことを信じきったスタジアムは、大一番独特の緊張感溢れる雰囲気を作りだすことなく、いつものリーガの試合のような雰囲気だった。

 ピッチの中では、得点シーンだけでなく多くのチャンスを作り、相手に攻撃らしい攻撃をさせなかった前半が逆に良すぎた。実際、DFセルヒオ・ラモスは「1点を決めたことで今日のミッションが終わったと自分たちは考えてしまった」と、どこかで安心しきっていたところがあることを認めている(このままレアルが1-0で制し、トータルスコア2-2になれば、アウェーゴールでレアルが決勝に進出)。

 アンチェロッティは前半途中からDFペペにアップを命じており、このまま1対0で逃げ切ることもプランの1つに入れていたのだろう。だが、サッカーは枠内にシュートを飛ばせば得点が生まれる可能性のあるスポーツだ。後半、第1戦同様に元レアル・マドリードのモラタにゴールを決められると、試合はマドリードにとって想定外の1対1の引き分けに終わった。

 古巣を失意のどん底につき落としたモラタに関していえば、彼に対するイメージもレアル・マドリードは更新できていなかった。

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