悪夢が続くミラン。本田圭佑に今、必要なこと
オフィシャル誌編集長のミラン便り2014~2015(30)
みなさんはフレディ・クルーガーをご存知だろうか。映画『エルム街の悪夢』シリーズの主人公で、夢の中に現れては人々を襲い、苦しめる男だ。
ミラニスタはこの映画の次回作の主人公になれるのではないだろうか。試合前の一週間、彼らの夢にこのフレディ・クルーガーが現れて、次の日曜日にはまたなにかしらミランの試合でひどいことが起こるぞと、夜な夜な苦しめるというストーリーだ。
日曜日の夜に行なわれた試合の対戦相手はナポリ。一筋縄でいかないことは事前から予想された。しかし開始から50秒後には10人となりPKを取られるなど、まさに新手の悪夢としか言いようがない。
ナポリ戦にフル出場した本田圭佑(BUZZI/FOOTBALL PRESS) ミラン関連の報道は、今週もまた試合までのアプローチとチームの新しい株主の話に二分されていた。みなさんは私が今「新しいオーナー」ではなく「新しい株主」という言葉を使ったのに気づいただろうか?
それはベルルスコーニ会長がテレビカメラの前でタイ人ブローカーのビー・テチャウボン氏を紹介した言葉そのままだ。ミラノでの最後の交渉の場で、ベルルスコーニ会長はミランの筆頭株主の座を譲る気はないことを表明した。この決定からは、株の一部を香港の実業家、リチャード・リー氏にも購入させるという意図がうかがえる。現在の株主たちは持ち株の一部だけを売り出し、結局、筆頭株主はフィニンベスト・グループ(ベルルスコーニが率いる財閥)もしくはベルルスコーニ・ファミリーとなるように操作するのだろう。
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