インテルで出場機会が激減。長友佑都はどこへ行くのか

  • カルロ・ファッブリ●文text by Carlo Fabbri 利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 ただトリノのウルバーノ・カイロ会長は、インテルがダルミアンを狙っていると知ると、たちまち2000万ユーロ(約26億円)に移籍金を釣り上げてきた。こういう場合の対処法としては、移籍金の一部に手持ちの選手をあてるというのが一般的だ。つまり長友がこの交換対象の選手になるかもしれないのだ。経験豊かで、すでにイタリアサッカーも熟知している長友のような選手を持つことは、トリノのジャンピエロ・ベントゥーラ監督もきっと歓迎するだろう。
 
 その他の可能性としてはプレミアリーグ行きも考えられる。伝統的にインテルは、イングランドのチームとの間に太いパイプを持っている。長友はスピーディーにサイドを上がり、ゴール前にクロスを出せる。ゴール前での空中戦が多いイングランドサッカーに適したスタイルで、イングランドではより活躍できるかもしれない。

 中でも可能性があるのが来シーズン久々にプレミアに戻ってくるワトフォードだ。ワトフォードは歌手のエルトン・ジョンが会長だったことでも有名だが、2011年からはウディネーゼなどのオーナーも務めるイタリアのポッツォ・ファミリーが経営している。つまり長友のことはよく知っているわけだ。こうなると長友はイギリスに行っても、結局イタリアとは完全には切れないことになる。彼もそれを悪くは思わないだろう。

 いずれにせよ、今夏、長友がインテルを離れる可能性は高いと言っていいだろう。

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