ドルトムントがドイツ杯決勝へ。失点に絡むも香川真司に手応え (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「良いサッカーではなかったかもしれないけど、チーム全員の気迫で勝ちきった勝利だったからすごく嬉しかった。もちろん自分が(最後まで)出て勝ちたいというのは誰もが思うことですけど、今のチーム状況も考えると、決勝に行くことがなにより大事だったし、誰が出ようが勝つことが大事だったので、本当に嬉しかったです」

 香川自身は3トップの中央で先発した。ただしCFというよりも、守備では相手にプレッシャーをかけ、攻撃では展開する役目を担う、ゼロトップのような役割だ。後半は通常の4-2-3-1に戻したが、特に前半は守備に追われ、時間と共に疲弊していった。

 皮肉なことに前半29分、バイエルンがカウンターから先制したシーンは、香川が攻撃に出たところから始まった。中央をドリブルで持ち上がり、相手が右を埋めたのを見て左に展開しようとしたところをカットされ、それがFWレバンドフスキーの得点につながった。

「落ち着いていたので、相手も予想して埋めて来たから、左が空いたかな、と。あそこでああいう取られ方をしてはいけないです。でも、そこまで悲観的になることはなかったですけど」

 というのも、このように前を向くシーンが増えればチャンスが増えると感じていたからだと言う。

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