連勝のドルトムント。香川真司の動きも変わってきた (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

 香川が自らの得点シーンを振り返る。

「あそこまで(ゴール前)行けると思わなかった。相手のプレスが弱かったし、自分のマークも甘かったので、シンプルで簡単なゴールだったんじゃないかなと思います。ああいうのが勝つチームには入るもの。結果論ですけど、あっさり入るときは入るのかな、と」

 後半に入っても流れはドルトムントのまま。香川の動きも軽快で、次々とチャンスメイクに加わりながら、前線へも顔を出す。ふたつの役割のどちらかではなく、どちらもこなせているというのは、今季これまでになかったことだ。

 香川が「これこそ俺が欲しかったボール」と、思わず笑みを浮かべたパスが来たのは後半25分だ。右サイドの中盤でドゥルムがスローイン、受けたベンダーがロイスとのワンツーの後、右から斜めにゴール前に走り込む香川へ縦パスを送った。

「ああいうふうに、3枚目でボールを受けるというのは、なかなか久しぶりの感覚だったし、これこそ俺が欲しかったボールで、イメージはメッシでした(笑)。そこ(シュート)はうまくいかなかったですけど、あの感覚はすごく大事だし、もちろん相手のプレスが緩まったというのはあるんですけど、チーム全体でイメージでできているからこそ、ああいうのが出てくるのかな、と」

 “良いイメージ”を自分だけでなくチーム全体が持っている。チーム全体のことをわざわざ付け加えるあたり、コメントの内容も一時期とは違ってきた。

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