CLベスト4へ。圧勝劇がバイエルンに与えたもの (3ページ目)

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Watanabe Koji

 若い選手が多いポルトは後半、あきらめずに果敢に戦った。敵将グアルディオラも認めるように、かなり押し込むことにも成功し、73分にはFWジャクソン・マルティネスが一矢を報いた。前半は62%対38%だったポゼッション率は、トータルでは53%対47%と僅差になった。MFシャビ・アロンソを中心に常に高い支配率で主導権を握るバイエルンを相手に、少なくとも後半は支配率で互角以上の戦いを見せたことになる。それだけに序盤の、バイエルンにやりたい放題のサッカーを許した戦い方が悔やまれた。

 試合後のグアルディオラは、「第1戦が終わっても突破できると思っていたよ」などと、余裕しゃくしゃくだった。だが前半、得点ラッシュに興奮しすぎたのか、ズボンの左足の外側が破けるというハプニングに見舞われていた。着替える時間がなかったのだろう、記者会見には破れたズボンを隠すように黒いセーターを巻いて登場している。

「準決勝の相手はどこでもかまわない」と、グアルディオラ。昨季、レアル・マドリードに大敗した準決勝の舞台へたどり着いた。バイエルンにとって本当の勝負はここからになる。

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