プレミア王者マンチェスター・シティが急降下した理由 (3ページ目)

  • 栗原正夫●文 text by Kurihara Masao photo by Getty Images

 この点は、ユナイテッドOBのフィル・ネビルも、キャリック、マタ、エレーラ、フェライニで構成するユナイテッドの中盤(特に中央)に対し、シティがヤヤ・トゥーレ、フェルナンジーニョの2人で対応する場面が多く、「その問題を解消できなかったのは指揮官のミス」だったと指摘している。

「たとえばヤヤ・トゥーレ個人の出来を批判するような意見もあるが、それには賛同できない。個ではなく、チームとしての戦い方の問題で、この試合に限らず、シティはこれまでも重要な試合で同じような中盤でのミスマッチを起こしてきたが、その対策が打たれていない」

 リードされた中でミルナーに代えてナスリ、ヘスス・ナバスに代えてランパードを入れた攻撃陣の選手交代にしても、今季4ゴールしか取っていないとはいえベンチを温めるFWジェコを起用する手もあったのではないか。結果が出ないなか、ベンチワークが裏目に出ている感も否めない。

 ここに来てジェコやFWヨベティッチ(ボニーの加入でCLの登録メンバーから外される憂き目にあった)のほか、ミルナーやヤヤ・トゥーレらに移籍の噂が出始めているが、そうした事態も指揮官がチームを掌握し切れていないことの象徴といえるだろう。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る