練習場の雰囲気は良好。本田圭佑復帰はウディネーゼ戦? (2ページ目)

  • ステーファノ・メレガリ(『Forza Milan!』編集長)●文 text by Stefano Melegari  利根川 晶子●翻訳 translation by Tonegawa Akiko

 外ではマスコミやサポーターからの非難が渦巻いているが、ミラネッロの空気は至って平穏だ。どんな難しい状況にあっても、練習場の選手たちは皆とても落ち着いている。落ち着いて練習に打ち込み、選手間のハーモニーもいい。

 もちろん彼らも今シーズンの最低限の目標――ヨーロッパリーグ出場権を手に入れることが非常に重要であることはわかっている。落ち着いた雰囲気とチームワークこそが勝利に必要であることを選手たちは知っているのだ。チームメイトでなにか問題を抱えていたりする者があれば、皆が彼を勇気づけるために声をかける。そうした何気ないことが実はとても大切なのだ。誰かがミスを犯してもそれを責めるのではなく、何が問題であるかをともに考え、どうしたら克服できるかを考える。こうした雰囲気がチーム内にあるのは、選手とよく言葉を交わすインザーギのおかげでもあるし、ミランの伝統でもある。

 不満や不平はチームの中だけで話し合い、決して表には出さない。「汚れたものは家の中で洗う」というイタリア語の諺(ことわざ)があるが、これこそが昔からのミランのロッカールームのスタイルだ。そして今の選手たちも忠実にそれを受け継いでいる。

 さて、今週はいつも以上に選手たちも練習に熱が入るはずである。なぜなら週末にミランを待っているのは特別な試合、インテルとのミラノダービーだからだ。残念ながらどちらのミラノのチームも今は不調だが、それでもダービーはダービー。やはり他の試合とは違う。また両者とも、この試合に勝つことでヨーロッパリーグ出場(5位以内)への希望がつながる。その点でも決して譲ることができない勝負になる。

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