「もっとシュートを」。クロップ監督が香川真司に求めるもの

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Getty Images

「ミス絡みの失点で......。でもこれが今年のチームの現状だと監督も言ってました。ただ後半追いつくのが大事だったので、結果的に追いつけましたし、よかったと思います」

 後半に入っても苦戦は続いた。プレッシャーをかけられ、中盤でボールを失うと、一気にゴール前に運ばれた。だが、それは相手が良かっただけでなくて、自分たちに欠けていたものがあるからだ、というのが香川の見方だ。

「相手のカウンターも鋭かったですし、守備もすごく引いていた。でも、もうちょっと僕たちもボールを前に運んで、ラスト3分の1でボールを組み立てていかなければいけなかったんですけど、最後のところが雑だったり、精度を欠いていてなかなかうまくいかなかったです」

 香川自身も多くのチャンスに恵まれながら、スタンドのため息ばかりを誘った。前半40分には右サイドのMFブワシチコフスキーからグラウンダーの折り返しに走り込む。だがファーストタッチは流れ、その後のマイナスのパスもディフェンダーに阻まれてシュートに到らない。66分、FWオーバメヤンからの縦パスに抜け出してフリーになるが、やはりディフェンダーに寄せられてシュートもパスも選択できない。71分にもオーバメヤンからのパスをゴール前で受けるが、香川はワンツーを選択。オーバメヤンは香川がシュートを打つものと思いこぼれ球につめようとしており、タイミングが合わなかった。

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